ゴースト血管とは

　血管のうち、毛細血管は９０％以上。全身に張り巡らされた毛細血管の小さな隙間から、血液が微量ずつ漏れることで、細胞に酸素＆栄養素を届けられます。毛細血管自体も、血液が流れ続けることで健全な状態を維持します。しかし、血液の流れが悪化して、末端まで届かなくなると、毛細血管がボロボロになり、最終的には消失する「ゴースト血管」が現れます。

ゴースト血管になる原因とは

　ひと昔前の主な原因は加齢でした。年齢とともに血管が老化し、血流が悪化することが原因でした。しかし最近では、年齢に関係なく若年層でもゴースト血管のある人が増えています。理由は、睡眠不足や食生活の乱れなど、生活習慣が大きく影響しています。傷ついた毛細血管は、睡眠中に修復されるのですが、睡眠不足の人が多くなっているため、血管は十分に修復されず、ゴースト血管が現れます。
　また、甘いものの過剰摂取や暴食などの食生活の乱れも血管に負担を与えます。摂取された過剰な糖分が、血管の細胞を傷つけ、漏れを加速させるのです。

ゴースト血管が関係する病気とは

　ゴースト血管は脳への悪影響が大きいとされています。脳は非常に多くの血流が必要ですが、血流が滞ると「白質病変」が現れることが分かっています。脳深部にて「白質」が発生すると、やがては認知症にも繋がってしまいます。
　骨も大きく関係します。骨は日々古い骨が壊され、新しい骨に作り替えられていますが、毛細血管がこの作業に必要な栄養を骨に運ぶ役割を果たします。骨に栄養が届かなくなると、骨がもろくなり、骨粗しょう症を引き起こします。
　また、血流が滞ると、心臓からの温かい血液が、皮膚に届く頃には冷えてしまい、冷え性の原因です。冷えは指先だけでなく、便秘や肩こり、むくみなども引き起こします。
　それだけでなく、見た目の若さを左右する肌のターンオーバーも、肌の毛細血管が関係します。乾燥やくすみ、吹き出物やごわつきなどの肌トラブルが起こります。さらに、頭皮の毛細血管が衰えれば栄養がいかず、髪から水分が失われてパサついたり、抜け毛の増加にも繋がります。

家庭で出来る予防はあるの？

毛細血管は消えてゴースト化しやすい半面、血流を通せばすぐに復活させることが可能です。ただし、時間が立って完全に血管が消失してしまうと、新しく作ることは非常に難しいです。
　そこで、まずは十分な睡眠をとり、食生活を見直してください。血管のバリア機能を高める食材、たとえば「EPA」に含まれる物質は、毛細血管の細胞の接着力を上げ、漏れを防ぐ効果があります。毛細血管をゴースト化させないために、まずはできることから始めてみましょう。

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